当社も輻射式冷暖房を始めて11年が経過しました。その間、デメリットはあるの?とよく質問をいただいてきました。今回はそれについてご説明しましょう。まずはデメリットをお伝えする前に、熱の伝わり方についてあらためて復習しましょう。
熱の伝達形態には、3つあります。
【対流】【伝導】【輻射】についてご説明します。
熱の伝導形態:対流
エアコンなどは温風や冷風を放出することで、強制的に対流を起こさせる方法です。
エアコンによる対流の例
ストーブによる対流の例
熱の伝導形態:伝導
接触によって熱が高い方から低いほうへ伝わる性質を利用した方法です。
氷まくらによる伝導の例
ストーブによる対流の例
熱の伝導形態:輻射
温度がある物体からはその温度に応じた赤外線が出ていますが、輻射冷暖房とは物質を介さず高い温度から低い温度に熱移動する性質を利用して冷やしたり暖めたりする方法のことを言います。
例えば冬、縁側で陽なたぼっこをしていると、外気温が低くても身体がポカポカと暖まります。また夏、トンネルに入ると身体がひんやり涼しく感じられます。
これらは、外気温自体はほどんど変わりがないのに、太陽熱が身体に移動したり、身体の熱がトンネル壁面に移動することによって、身体に感じる温度が違ってくるからです。つまり、輻射とは「物質を介さず温度の高い方から低い方へ熱が伝わる」という現象です。
氷まくらによる伝導の例
ストーブによる対流の例
どの冷暖房方式もメリット・デメリットがあるので、整理してみます。
- 対流式(エアコン、ファンヒーターなど)
メリット―速効性がある。
デメリット―空間の上下に温度差が生じる。長時間あたると不快。 - 伝導式(床暖房など)
メリット―触れた部位にすぐに温かさを感じる。
デメリット―長時間触れていると熱がこもり、低温やけどの危険性がある。 - 輻射式(パネルヒーターなど)
メリット―温度ムラが少ない。長時間居ても快適。
デメリット―部屋全体が温まるまで時間がかかる。
ざっとこんな感じです。それぞれメリット・デメリットがありますが、実は1・3を組み合わせた機器があります。それがエアコンと輻射パネルを組み合わせた新方式エコウィンハイブリッドです!!
速効性は対流式であるエアコンの風を利用し、ある程度温かさを感じたら微風運転にして、パネルからの輻射で快適な冷暖房ができる!まさに画期的な冷暖房システムです。
今回は各冷暖房方式の「感じ方」を中心にお話させていただきましたが、次回はメンテナンス性の面から切っていこうと思います。